学生フリーペーパー特集 前編

学生フリーペーパー特集 中編

今回は、学生フリーペーパー特集の中編。 12月14日(日)に開催されたStudent Freepaper Forum 2008についてのレポートをお届けする。 GANBARUZINE!は通常毎週水曜日に発行であるが、後編の「第3回全国学生フリーペーパーコンテスト」の一次審査に通過した20媒体の紹介(前編で紹介した上位5団体を除く)は2008年12月19日(金)に公開。




Student Freepaper Forum 2008

「Student Freepaper Forum 2008」 -学生フリーペーパーとプロからの評価-

2006年12月より開催されてきたStudent Freepaper Forum (以下SFF)。当時よりフリーペーパーを制作する学生が年々増えてきているのは明らか。
2006年には約45媒体、2007年には約50媒体、そして今年は全国から72の学生フリーペーパーがコンテストに参加した。
先日の12月14日(日)のSFF2008には、全国から500名近くの学生と、20社以上の協賛・協力企業が一堂に会した。
前編で紹介した5媒体のうち、どこが優勝したのだろうか。
優勝者のインタビューも、今回特集している。
そして、そうそうたる企業から参加している審査員からの評価は、一体どのようなものだったのだろうか。
その審査基準や、学生フリーペーパーに関する様々な私見をつづる。
ここでは、学生の媒体も広告主から出稿料金をもらっている以上、プロとして扱うべきであると考えるため、辛口のコメントも含めていきたい。

SFF2008



SFF2008 当日の様子

2008年12月14日(日)12時30分@ベルサール神田。
続々とSFF2008を観覧しにきた学生が集まる。それも、東京からだけではなく、栃木、福井、岐阜、大阪、京都、愛媛、福岡、沖縄、さらにはフランスからも参加者が集まったようだ。

最初のプログラムは、毎日コミュニケーションズが発行する、現在最も話題と言っても過言ではない、OL向けフリーペーパー「エスカーラ」の編集長、西達也氏による基調講演。
テーマは「広告のとれるフリーペーパーの作り方」。
雑誌が売れなくなり、フリーペーパーが台頭してきている近年。
当然のごとく、媒体の数は増え、ひとつひとつのクオリティも上がってきている。
媒体の数が増えれば、当然のごとく淘汰が始まる。
そういった中で、広告をとることができて、生き残ることができる媒体を作るためには、どのようなことが必要なのか。
西氏は“読者を知れ”ということを強く語る。
エスカーラは、入社1年~3年目のOL向けと、4年目以上のOL向けの2種類の媒体がある。 この二者のターゲットの間では、持っているお金の差もあれば、嗜好や行動パターンも大きく異なる。
SFF2008 そういったリアルなデータをどのくらい集められるかが、明確なターゲットに対して最大限の広告効果を訴求する肝になる。
大学生向けの媒体を制作する場合にも、ただ単に作りたいものを作る、というスタンスだけではなく、読者はどこにいて、どのような情報を欲しがるのかということを、徹底的にリサーチする必要があるのかもしれない。
続いて、メインプログラムである、第3回全国学生フリーペーパーコンテストの決勝プレゼンテーション。上位の5団体が、それぞれのスタイルでプレゼンを行った。
その後、上位5団体の編集長によるトークセッションが行われ、コンテストの表彰と講評に入る。
第一部終了後には交流会が開催され、240名程が参加した。
上位5団体のフリーペーパーは前編にて紹介している。


二次審査を通過し、決勝進出を果たした5媒体

PARTNER キャリアバイト
アルバイトに単なる小遣い稼ぎ以上の意味を求める学生をターゲットとした、求人広告媒体。
飲食店などの定番アルバイトでは仕事力の成長率は弱く、逆にインターンシップは主体性が求められ、なおかつ責任もある仕事も多く成長率は高い。
しかし、インターンシップは無給や給料が安いことも多く、アルバイトの代替にはならない。
そのため、アルバイトとインターンシップの両方の良いところを合わせた「キャリアバイト」というジャンルを作りだし、媒体を通して学生に訴求していく。 しかし、媒体においてまだまだ求人広告の掲載数が少なかったことと、写真やデザイン面が後一歩だった。
今後キャリアバイトというジャンルが浸透することで、さらに良い媒体になるのではないだろうか。 。


早慶本 早慶本
事前から、審査員に注目されていたのは「収支面」。
そのページすべてが、ある意味記事広告である早慶本は、なんと840万円の売上、360万円の純利益を達成している。
デザインは外注しており、メンバー数も7名と少ない。
そんな中から、これだけの収支を達成するには、「効率の良さ」が必須になってくる。
プレゼンテーションでは、安定した収益面をアピール。
広告代理店の審査員にウケたのではないだろうか。
早慶本だけに、早稲田と慶応それぞれの学生が壇上でプレゼンテーションを行った。 出た利益は、次号の発行のための費用に充てているそう。


輝女 輝女
昨年度横綱級と評された輝女。媒体では表紙に芸能人を起用するため、説得性がある。
今大会の決勝進出者で唯一の女性。
当日のプレゼンテーションでは、女性らしさもアピールされていた。
女子大生という特化の中から、様々な企業とのタイアップも可能である。やはり流行の先端をゆく彼女たちのトレンドを掴める媒体として、今後も注目されるものになるはずだ。お馴染みの媒体である分、常にクオリティを見られているというプレッシャーもあっただろう。
今後も継続した媒体制作に期待したい。


PARTNER PARTNER
昨年度準優勝のPARTNER。そのクオリティの高さは一目瞭然である。
美大生複数が関わっているため、デザインはページによりけり。
一般的には統一性がないとも言われそうだが、ターゲットがそもそも美大生。
一種の作品であり、なおかつ広告媒体として確固としたものとなっている。
プレゼンはその格好とは裏腹に、明朗解析なしゃべり方であった。
また、プレゼンの資料も非常にクオリティが高く、資料のみで言えば5団体でもトップだったのではないだろうか。


Enjoynt
Enjoynt
地域のお店の情報を載せているEnjoynt。フリーペーパーに加え、Webやモバイルへの誘導を積極的に行う次世代の媒体。
唯一のゼミからの出場で、プレゼンには慣れた様子だった。
非常にスムーズな説明からは、何度も練習したことがうかがえる。
審査員からの質問にも明確に回答し、プレゼンテーションで言えば1位、2位を争うものだったのではないだろうか。







SFF2008 審査員による審査、非常に難航した様子。
事前に発表されたオーディエンス賞は、PARTNERが受賞。

そして優勝は・・・・

PARTNER制作委員会「PARTNER」

その理由のひとつとして、アップルやモリサワフォント、Adobeといったナショナルクライアントの広告を取っていることが挙げられる。
しかし、㈱インフォバーンの小林弘人氏は「広告だけではなく、コンテンツのクオリティも非常に高い」と賞す。
また㈱アサツーディ・ケイの大塚敦子氏は「質の高さでは、普通では行けない境地に達している」、日本生活情報紙協会の久保まり子氏は「完成系」と語った。

準優勝:早慶本
3位:キャリアバイト
4位:Enjoynt
5位:輝女


SFF2008 全体の講評として、以下に各審査員の言葉を一部記載する。

(株)アサツーディ・ケイ:大塚敦子氏
「フリーペーパーは、2008年さらにニッチになってきている。PARTNERは非常にターゲットが絞られていた。」

(株)インフォバーン:小林弘人氏
「キャリアバイトはまだまだだが、すぐにでも登記したいのであれば出資したいくらいだ。PARTNERは、デザインや広告だけではなく、総合的な見地から優勝したと思ってもらっていい。」

(株)博報堂DYメディアパートナーズ:原口誠氏
「それぞれ、最近の学生では見られなくなった“熱意”を強く感じた。就職活動等で自分が学生時代に最も力を注いだことを聞かれたら、胸を張って今の活動の話をしてほしい。広告業界の業績は、特に今年に入ってから非常に厳しいものがあるが、今日ここにきて、皆さんから元気をもらった。」

(株)電通:富田大祥氏
「聞いていて、自分が恥ずかしくなった。講評というより、純粋に感想を述べたい。本当にそれぞれ素晴らしかった。」
日本生活情報紙協会(JAFNA):久保まり子氏
「これも一つのニッチビジネスの成果だと思う。これから、もっと市場は狭く深く濃くなっていくのではないか。ただ二次審査時に見た営業資料に、発行頻度等が記載されていないという抜け漏れがあった媒体が多いことが気になった。次回も発行するかが不明だから、という理由もあるのかもしれないが、広告主には通用しないので、次回に反映してほしい。」

(株)グローバルメディアソリューション:井出高志氏
「もう少し、先の展開を考えた媒体づくりも必要だと思う。自分たちだけではなく、色々な人の力を借りて、より良い媒体を目指してほしい」

(株)フィールドメディアネットワーク:松下和弘氏(審査委員長)
「今年でSFFの審査員になって3年目を迎えたが、今年は非常に幅が広がったと感じた。上位の5団体と、審査員特別賞を受賞したツクマガと、環境サイクルマガジンサステコの2誌は、学生フリーペーパーの先頭を行っていると自覚してほしい。上位の5団体は今後は追われる立場になる。パイオニアは大変だが、今日がゴールではなく、スタートだと思って次回も頑張ってほしい。そして、君たちも是非我々の広告業界に入って、時代を引っ張って行ってほしい。」



SFF2008


優勝者からのコメント

PARTNER制作委員会 編集長 長屋聖士氏

「涙が出そうだけど出ないですね笑 でも本当に嬉しい。こうやって皆さんに我々の活動を知って頂けたことが、本当に嬉しいです。ありがとうございました。」



次回は、優勝したPARTNER編集部のインタビュー記事を紹介します!

Text By:山川 雄志(GANBARUZINE!編集部)

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